SSブログ

クラウドに舵を切るアップル 新OSで「総取り」狙う Macは“脇役”に (日経web)の写し [IT関連]

ジャーナリスト 石川 温

2011/6/7 15:23の記事です。

ニュースソース 日本経済新聞 電子版

 6月6日(米国時間)、米アップルは開発者向けイベント「WWDC2011」を開催。基調講演でクラウドサービスの「iCloud」、スマートフォン「iPhone」/多機能携帯端末「iPad」向け基本ソフト(OS)「iOS5」、そしてパソコン「Mac」向けのOS「Lion」を発表した。

 世界が注目するアップルのWWDCの基調講演。例年はこのタイミングでiPhoneの新製品が発表されてきたが、今年はハードウエアの発表は一切なし。ソフトウエアやクラウドサービスを発表するとしていた、事前に告知されたプレスリリース通りの内容だった。

■iCloudがもたらす2つの変化

 筆者には、今回の基調講演はアップルにとって大きな意味がある転換点のように感じられた。その意味はスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)の次の発言に集約されている。

 「10年前、コンピューターがデジタル生活のハブになっていくと思っていた。Macがその役目を担ってきたが、この数年でそれも変化を遂げている。なぜなら、デバイスが進化したからだ。iPhoneやiPadは音楽、写真、動画のすべてに対応する。それらをいちいち1台のMacと同期するのは間違いだ」

 そこで登場するのがiCloudだ。

 同サービスは、写真や音楽をはじめ、文書やプレゼンテーション資料、メール、スケジュール、連絡先などの情報をすべてインターネット上のクラウドに保存できる。預けたデータは自動的にMac、iPhone、iPadなどすべての機器と同期が図られ、すぐにほかの端末から利用できる。これまでアップルは「MobileMe」を年間9800円の有料サービスとして提供していたが、iCloudは無料で提供するという。

 もう一つの変化は、iPhone/iPadがMacやWindowsなどのパソコンがなくても使えるようになったという点だ。iOS5ではパソコンとの接続が不要となり、端末単独でアップデートなどの作業ができるようになった。

 これまでiPhone/iPadは、購入後にパソコンに接続して「アクティベーション」作業をする必要があった。さらにデータのバックアップやOSをアップデートするには必ずケーブルでパソコンに接続して、管理ソフト「iTunes」を起動させる必要があった。

■もはやMacが主役にならない時代に

 無料でユーザーのデータを預かり、複数のデバイスと同期し、さらにパソコンとの接続が不要というのは、米グーグルのOS「アンドロイド」が得意としてきたことだ。これまでアンドロイドと比べたiPhoneの弱点は「パソコンが必要不可欠」という点に尽きた。

 パソコンが得意でない年配層がiPadに興味を持った場合、アップルストアなどでその場で作業をしてくれるとはいっても、パソコンにつないでアクティベーションをしなくてはならないことが障壁となっていた。

 これまでiOSは何度も進化を遂げてきたが、iPhone/iPadは「パソコンの周辺機器」という位置づけからは脱していなかった。かつての社名「アップル・コンピュータ」から「コンピュータ」を外しても、「Macがメインビジネス」であり、そのスタンスに変わりはなかった。

 今回の基調講演ではジョブズCEO自身が、もはやMacが主役にはならないことを認めた。世界に2億台あるとされるiOS搭載端末を普及させ、ユーザーがiPhoneとiPadなど複数のデバイスを使い分けることが当たり前になってきたことで、主役は「クラウド」に変わろうとしてるのだ。

 これまでのiPhoneには「グーグルのサービスを最も使いやすいスマートフォン」という位置づけもあった。

 iPhoneは、「Gmail」や「カレンダー」など、クラウドに預けた個人のデータを引き出す最適なモバイル端末としてビジネスマンに受け入れられた。この先、アンドロイドを使ってデザイン性に優れ、使い勝手のよいユーザーインターフェースを作り上げた端末が出てくれば、データはクラウドに預けたままで、iPhoneからアンドロイドに乗り換えるユーザも出てくるだろう。

 ユーザーにとって最も重要で、毎日携帯しなくてはいけないアプリは何か。それは、これまでに蓄積してきた膨大なメールやスケジュール、連絡先などの「個人データ」だ。グーグルは使いやすいWebサービスを用意して世界中から個人データを集め、クラウドに置いた。彼らは次のステップとして、データを引き出しやすい端末をアンドロイドによって普及させようとしている。

 アップルは「使いやすい端末」を普及させられたが、最強のアプリともいえる「個人データ」をうまく蓄積できているとは言えない。iTunesで全世界で2億2500万もの個人のクレジットカード口座番号を把握していても、メールやスケジュール、連絡先ではグーグルに及ばない。

 これまでアップルは、グーグルが得意とするクラウド分野を果敢に攻めてきた。この先もモバイルで勝ち続けるには「いかにユーザーが必要とするデータを囲い込むか」が重要であり、クラウドへの展開は避けて通れない選択だったのだ。

■iPhoneから使える独自SMSを搭載

 iOS5には200以上の新機能が追加されているという。基調講演ではそのうちの10個が紹介された。

 そのなかでも特に印象に残ったのが、「iMessage」「Notification Center」「Twitter」「Reminders」だ。

 世界の携帯電話会社が眉をひそめそうなのが、iMessageだろう。iOS5端末同士で簡単にテキストや写真のメールをチャットのように楽しめる機能で、ユーザーからはSMS(ショートメッセージングサービス)感覚で使える。iOSを搭載した端末は世界で2億台が普及しており、海外ではiPhoneは1つの国でも複数の携帯電話会社が展開している。携帯電話会社のSMSを使ってメッセージを送ると有料となるが、iMessageなら無料だ。アップルのビデオ通話サービス「Facetime」のテキストメッセージ版といえるもので、iMessageが普及すれば、有料SMSを提供してきた携帯電話会社は収益源を失いかねない。

 日本ではiPhoneを扱うのがソフトバンクモバイルだけで、同社内の端末同士でSMSを無料で使えるため、iMessageを使うメリットは少ないだろう。無線LANにしか対応していないiPadユーザーと連絡を取るときに使うといった利点しかないかもしれない。

■通知機能もツイッター連携も進化

 これまでのiOSは不在着信やメール着信件数などの通知をそれぞれのアプリで表示していたため、あまり見栄えがよいとはいえなかった。アプリを使っているときに別アプリが受けた通知があって邪魔に感じることもあったほどだ。

 iOS5が搭載したNotification Centerは、それらの通知情報を一元的に管理して、見やすくできるように進化させた。ほかのアプリを使っているときは画面上部に通知が表示されるようになり、作業を中断しなくてもよいように工夫された。

 「アップルらしい進化」と言いたいところだが、通知画面を開くときに画面上部から下にドラッグする動きはアンドロイドに近い気がする。

 ミニブログの「Twitter(ツイッター)」との連携も強化した。専用のクライアントアプリを使わなくても、写真や地図、Webページなどを見ているときに簡単につぶやきができて、友人と共有できる。

 アドレス帳にツイッターにある友人の顔写真を取り込めるようにもなっている。OSレベルでSNSとの連携を強化している点は、マイクロソフトのOS「Windows Phone 7」の考え方に近い。

 Remindersは、様々な用件をメモしておくことで用件を思い出させてくれる機能だ。日時だけでなく場所を指定しておくと、位置情報を基に、その場に行ったときにすべき用件を知らせてくれるといった設定も可能だ。

 このコンセプトは、NTTドコモが提供するサービス「iコンシェル」に似ているかもしれない。

■他社の「いいとこ取り」で穴を埋める

 これまではアップルが作り上げたスマートフォンにおける作法や哲学を、他のプラットフォームやメーカーが後追いしてまねをすることが頻繁に見られた。競争が激化するようになり、ライバル陣営も異なる切り口で差異化するようになってきた。

 これまでスマートフォン市場で一人勝ちを続けていたiPhoneも、最近はアンドロイドに追い上げられつつあった。

 アップルは他社にあって、自社にないものをつぶしていく必要に迫られていた。iOS5になることでパソコンがなくても使えるようになり、通知機能やSNS連携も強化された。

 今回、他社の「いいとこ取り」をしたことで、ライバルに対しての「穴」をきっちりと埋められたように思う。他社がアップルに追いつこうとしている中、iOS5が着実に競争力をつけたことで、またも他のプラットフォームを一気に引き離したようにも感じられる。

 アップルはOS、端末、サービスのすべてを1社で手がける垂直統合型を極めており、それらの連携がずば抜けている。この点が、水平分業で攻める他社にはなかなかまねができないところだろう。

 まさに今回のバージョンアップは、ジョブズCEOが「iPhoneには、ほかのスマートフォンと比べて見劣りする点がひとつもない」と言いそうな進化だ。

 「iOS5」の投入時期について、アップルは「今秋」という。新しいOSが出るのと同じタイミングで新製品が発売されてきただけに、iPhoneの新モデルもそのころに登場するだろう。

 

石川温(いしかわ・つつむ)
 月刊誌「日経Trendy」編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。携帯電話を中心に国内外のモバイル業界を取材し、一般誌や専門誌、女性誌などで幅広く執筆。近著に「グーグルvsアップル ケータイ世界大戦」(技術評論社)など。ツイッターアカウントはhttp://twitter.com/iskw226


 また、アップルが進化しそうな記事です。

 ただ、思うことは、appleコンピュータができたころから、常に「ネットワーク」ということを意識してきた点だと思う。この考え方は、昔からまったくぶれていないことが、今回の新たなiOSの発表になったのではないか?しかも、今回は、パソコンいらずというところまで踏み込んだことが、これまでと大きな違いだと思う。

と言いながらも、今回は、appleも負けじと「他社のいい所どり」をしたということで、なりふり構わずという姿勢も見られ、今後の競争に一段と拍車がかかる気がする。

 


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

フェイスブック、日本でクーポン配信 コンビニなど参加 (日経web)の写し [IT関連]

2011/6/7 12:00の記事です。

 交流サイト(SNS)最大手の米フェイスブックが大手コンビニエンスストアなどと組み、日本でクーポン配信サービスを始める。利用者はスマートフォン(高機能携帯電話)の位置情報を活用し、現在地周辺の店舗で割引や特典を得られる。同サイトは利用者同士の情報共有が活発なため、店舗にとってもクーポンによる集客効果が期待できる。

96958A9C93819594E2E5E2E2E48DE2E5E2E4E0E2E3E39F9FE2E2E2E2-DSXBZO2993815007062011I00001-PN1-3.jpg

 

 国内のコンビニや外食、衣料など大手チェーン十数社が参加し、7日から開始する。

 同サービスはフェイスブックから現在地周辺の特典や割引を検索。スマートフォンの全地球測位システム(GPS)機能を使い、店舗に位置登録(チェックイン)したユーザーに対して、その飲食店などの特典情報を表示し、クーポンが使える仕組み

 実名登録者が多いフェイスブック上の友人同士でクーポン情報を共有できるため、あるユーザーがクーポンを利用すると、友人のページにも表示され、メッセージのやり取りが進む。利用者同士がクーポンにコメントを付け合えば利用が促進され、サービスを提供する店舗にとっても顧客獲得につながる。

 フェイスブックにとっては会員数の拡大とともに、サイトの広告媒体価値が高まる可能性がある。同サイトは全世界で約6億人が利用するとされるが、日本国内の利用者は約300万人にとどまっており、クーポン市場への参入で弾みをつける。


これからのFacebookの使い方が、幅広く進んでいくかもしれませんね。


nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。